時間感覚の違いがもたらすもの
アニメ『葬送のフリーレン』公式サイト
2026年1月、1週間細かけてニコニコ動画のプレミアム限定動画の見放題配信で見ました。魔法を使ったさまざまな戦い、話の流れがよどみなくつながる物語構成など、楽しませてもらいました。
・舞台は、魔法が存在する我々の住む世界とは異なる世界で、そして、この物語で起きたイベントとしてもっとも大きいのは80年前の魔王討伐だと思うのだが、描かれる物語はその後日譚であるところが独特であると感じた。
・で、その魔王討伐にかかわる旅は約10年だったらしいが、長命なエルフ族のフリーレンにとってはそれがきわめて短い時間と感じる人間とは異なる時間感覚が、この物語が始まる大きな要素となっている。
・永遠に近い寿命というと銀河鉄道999の機械化人間が思い浮かぶが、彼らは時間があるということで何もしないという堕落した状態になっていたが、フリーレンは有り余る時間を利用して何かをやろうとは考えるようである。ただ、時間はいくらでもかけられるので、物事を効率的に成し遂げるという点が希薄な感じではある。
・魔族やエルフ族といった長命種に比べると人間はあまりにも短命で、いろいろ不利かと思いきや、短命ゆえの成長の早さと世代継承を上手く使って一定の成果を築きあげているというあたりが人間の強さなのかなと思う。特に、フェルンをフリーレンの弟子にさせたハイターあたりはフリーレンの人となりというか時間感覚を上手く利用していて、なるほどこういう手があったのかと感心する部分でもある。
・フリーレンが新たな旅を始めるきっかけとなった出来事、そして旅の途中で遭遇した魔族との戦い、そして、旅を続けるにあたって必要となる一級魔法使いの資格取得など、物語がよどみなく流れていきつつも、物語の時間はあっという間に数年経過するという感じである。
・断頭台のアウラとの戦いは、第1クールの山場だったと思うが、フリーレンのすごさはもとより、フェルンのすごさも垣間見せることになる。また、フランメがフリーレンに語った「魔族が言葉で人を欺くように、 人は魔力で魔族を欺くんだ」は印象に残る言葉であった。
・一級魔法使い試験編では、さまざまな人物が登場し、それぞれの背景が描かれるが、いろいろと複雑なものがあって、このあたりは力はあっても思考が割と単純に見える魔族と対比されているように感じた。
・一級魔法使い試験は第二次試験で多くの尺を使い、残り話数が少ない時点で第三次試験はどうするのかと思ったが、そうきたかという感じだった。ゼーリエが試験官を努めた第三次試験は短い時間ながらいろいろと示唆するものがあり内容は濃く感じた。あと、ゼーリエとフリーレンの関係性にもいろいろなものがあると感じさせるものだった。
・第1期は一級魔法使い試験で終了。まもなく始まる第2期はその続きとなるようである。最終的にヒンメルが語っていた「くだらなかったと笑い飛ばせるような楽しい旅」になるのかどうかがこの作品の落とし所と思うが、原作がまだ完結していないようなので、物語の落とし所はアニメ第2期ではまた見えないのかと思う。
JR8DAG/菅野 正人

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