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2007年8月30日 (木)

ハムフェア2007自作品コンテスト入賞作品について

 2007.08.25(土)に行われたハムフェア2007自作品コンテストの表彰式に出席しましたので、実行委員長の講評の抜粋と作品を見た印象を記録として残します。なお、今回は昨年ほど作品を納得行く段階まで見ていないので、その辺り明快さに欠けると思いますが、ご承知願います。 

【実行委員長の講評】
 正直なところ、昨年に比べて歯切れが悪かったように思います。
特に優秀賞第三席以下、努力賞、アイディア賞辺りは感性で選んだのでは?と勘違いしそうでした。
 出品者が聞きたいのは美辞麗句のオンパレードではなく、来年以降により良い作品を作るための講評であると思います(少なくとも管理人はそうだった)。確かに、話し方に気を付ける必要はあると感じますが、現在の講評は管理人には「逃げ」にも見えることは事実です。

○規定部門(QRPモールストランシーバー)
 アマチュアらしいモールス通信をハムフェアのテーマとしたことから、これにちなんで規定部門の課題を設定。
 書類提出12点、作品提出11点。

・最優秀賞(総務大臣表彰)
「低消費電力7MHz QRP CWトランシーバー“ECO-7 TRANSCEIVER”」(JH2ECU 沼尻英二郎)
 申し分ないくらいまとめていること、電気的特性、再現性に優れる。総合的にどの面からも優れていたことを評価。

・優秀賞第一席
「おじさんだって自作を楽しもう!作って、使って、見て、楽しむワンパック 1.9MHz CWトランシーバー」(JA1SLR 水越信夫)
 見るからにがっしりとした作り、使い勝手の良い作品としてまとめていたことを評価。

・優秀賞第二席
「7MHz QRP CWトランシーバー」(JE1UCI 冨川寿夫)
 ベテランらしい綿密な設計と製作が十分に発揮されたことを評価。

・優秀賞第三席
「QRPp CW 2BAND トランシーバ」(JJ1INO 井上洋輔)
「7MHz QRP CWトランシーバー「KURAMA II」」(JN3XBY 岩永敏弥)
 上記2作品はコンパクトで課題に沿った内容として評価。

○自由部門
 書類提出13点。作品提出12点。
 内訳はトランシーバー5点、アンテナ3点、モールス関係機器2点、ラジオ1点、付属機械1点。

・自由部門最優秀賞
6m QRPp AMポケットトランシーバー(Pocket6AM)」(JR8DAG 菅野正人)
 作りがしっかりしていること、メーカが作らないアマチュアらししさが発揮されていたこと、手にとって使ってみたくなる実用的な作品であったことを評価。

・優秀賞第一席
「携帯用QRP Gunn ATVトランシーバー」(JA1AKA 荒川 賢)
 アタッシュケースにトランシーバーからアンテナまでコンパクトにおさめていること、災害時にも役立てられることを評価。

・優秀賞第二席
「2.4GHz帯平面アレーアンテナ」(JO1SSF 相馬武志)
・優秀賞第三席
「DFX-702 430MHz FM/AMトランシーバ」(JG6DFK 児玉智史)
 上記2作品は専門家も驚くくらいの製作力が発揮され、非常に凝った作品であったことを評価。

・アイデア賞
「電磁ループアンテナ用の可変コンデンサーユニット」(JA4BTP 堀切 晃)
・努力賞
「超弾性合金マグネットを用いた木製パドル」(JA9BSL 野村 実)
 それぞれの賞にふさわしい作品であったとのこと(講評ではないような気がする:管理人コメント)

・JARL会長賞
「たいこでキーヤー」(JE1NMR 黒田大地)
 アイディアの面白さを評価。

・努力賞
「市販キットを改造した短波ラジオ」(松永才都)
 市販のキットを短波で聞こえるように工夫したことを評価。

【管理人コメント】
(全般的なこと)
・ハムフェア自作品コンテスト全体のレベルは、各出品作のレベルを積算したものと考えます。各個人のレベルはさほど変わらないところで出品数が昨年より10作品ほど減っているので、全体的なレベルは昨年より低下というのが妥当と管理人は考えます。それより、選外作品(写真展示)も含めて見る限り、参加者が固定しているように見えることの方が問題ではと思います。
・全般的な入賞作品の傾向について
 審査委員長がどの基準で審査したかを話さないので、これまでの印象から判断するしかありませんが、入賞の基準は以下のとおりとなるようです。

 ・作品から製作者の主張がはっきりとわかること
 ・デザインが良いこと
 ・しっかりと動作すること(これは管理人の出品作から推定)

(規定部門)
・最優秀賞はコンパクトでまとまりの良さを感じました。外観も丁寧に作っている印象を持ちました。
・優秀賞第一席は、最優秀賞との違いは見ただけではわかりませんが、作品の性能か、あるいは審査員の感性の違いであったのかなと思います。
・優秀賞第二席の冨川さんの作品ですが、JARL WEBの入賞作品の写真で気になっていた周波数表示の角穴は、やはり曲がっていました。このあたり時間がなかったのだとは思うのですが、以前の冨川さんの作品では見られなかったような気がするので気になりました(それとも過去の記憶を美化しすぎ?)。
 それともう一つ気になったのは、この作品は自作品コンテストに出すために製作したものであって、冨川さんが作りたかった作品のように見えなかったことです(それでも入賞できる力があるのはすごいことです)。時間がかかっても構わないと思うので、周囲の人をうならせるような作品を出されるのを望みたいところです。
 展示用説明文に内部写真を掲載していたのは良かったと思いました。
・優秀賞第三席の井上さんの作品に無線局免許証票が貼ってありました。実際に使っているんだなぁと思いました。

(自由部門)
・最優秀賞については、JH1ARY/黒田さんに「何がウリなんですか?」と聞かれてさくっと答えられませんでした。すみません。ただ、実行委員長の講評にも触れられたとおり、こういう作品が欲しいと自分で思って作り上げることが出来たこと、それを最優秀賞と評価していただけたことは嬉しく思っています。
 いろいろなものが多様化、複雑化する中で、あえてシンプルなものを出したのが最優秀賞という評価になったのかもしれません。10年前に同じ作品を出していたら、このような評価にはならなかったと思います。
・優秀賞第一席ですが、展示用説明文に掲載していた作品を持って階段に上がっている写真がゴルゴ13のように怪しげで良かったです。
・優秀賞第三席のDFX-702と言う名称は正しかったようです。
・アイデア賞となられたJA4BTP/堀切さん、お声がけありがとうございました。ホームページを拝見させていただくと、電磁ループアンテナというコンパクトなアンテナにいろいろと応用が出来るようで、その辺がアイディア賞として評価されたものと思います。
・JARL会長賞は、キーヤの使い方が写真で紹介されていたのが良かったと思います。
・努力賞「市販キットを改造した短波ラジオ」は、作品としてはあまり印象に残らなかったのですが、作りがしっかりしていたこと、説明書はシンプルながら必要なことは書いていたと思います。聞こえた短波放送の周波数を書いておくとなお良かったと思います。
 以前、コメントいただいた松永さん(本作品出品者のお父さん)にもお会いしました。ありがとうございました。作品に関してコメントすれば良かったのですが、こちらの方で一方的に話したようで申し訳ありませんでした。

(その他)
・賞状以外の楯カップ等は、年毎に内容が変わっているようです。予算のない中、年毎に内容を変えているのは良いことだと思います。
・昨年は今ひとつだった展示用説明文は改善が見られたかなと思います。内部写真や実際の使い方を掲載したあたりは来年以降の参考にしたいです(といっても現時点では来年に関しては出品予定はなし)。
・JARL WEB入賞作品に今回の講評の抜粋を記載して欲しいと思っていますが、今年からハムフェアそのもののレポートもなくなってしまったみたいなので、期待は出来ないなと思います(と思っていたら8/30にハムフェアのPHOTOレポートが掲載されました)。
・自作品コンテストは来年も実施する予定らしいのですが、どうも今年で終わりのような気もするのですが、気のせいでしょうか。

 JR8DAG/菅野 正人

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