6m QRPp AM ポケットトランシーバー(Pocket6AM)について
ハムフェア2007自作品コンテストにて自由部門最優秀賞となった
6m QRPp AM ポケットトランシーバー(Pocket6AM)について、
主に自作品コンテストの提出書類で書かなかったことについて
述べます。
【製作の動機】
・km/Wの記録を伸ばすことが一番にあった。
・FCZ研究所のポケトラ(寺子屋#067)は交信するという視点で見ると
以下の点が課題。
(1) 受信が超再生方式であり、数km以内にローカル局が出るだけで
混信を起こしてつかいものにならない。あと、信号が聞こえていても
その局が50.620MHzなのかわからない。
(2) 周波数が1波固定
・出力を下げるなら、小さく、省電力を合わせて達成した方が良いと考えた
→ FCZポケトラと同じケースに入れることを想定。
【回路設計・製作】
・送受別々のVXOを2連バリコンを使って中間周波数の差で同期するアイディアは
独自のものではない。AMラジオは違う形で似たような方法を採っているし、同様の
回路を見たことがある。
・50MHzスポット受信機(#214)の回路とプリントパターンを見ると、
FCZポケトラ(#067)の電池が入っていたスペースを上手く利用すると
何とか収まると考えた。
・電池は外付とすると、FCZポケトラより少し大きくなるが、逆に電池交換などの
使い勝手が向上するので、その点をアピールすることを考えた。
・後日のメンテナンスを考え、部品は詰め込み過ぎないように配慮した。4,5年
使うことを考える場合、この点は重要。
・個々の回路は、これまでに実績のある安定したものを採用。ただ、部品点数を
少なくするために、部品選定には多少気を使った(2SK241はIDSSの小さい
Yランクを使用するなど)
・送受切換は波動スイッチを採用したが、この波動スイッチは
トグルスイッチに比べると入手は結構面倒である。FCZポケトラも
この波動スイッチが手に入らなくなって一旦製造中止となり、
トグルスイッチに置き換えて再販売している位である。
この波動スイッチ、いろいろ調べたところマルツパーツ館に
ミヤマの2回路2接点のものがあったので採用したが、オリジナルのものを
使うと今ひとつ目立ちすぎて格好が良くないので、プラスチックのカバーを
手持ちの波動スイッチのものと交換している(手持ちの波動スイッチは
ネジ止めできない構造のため不採用)。
実はオリジナルのものを使った方が送受切換はしやすいのだが、今回は
見た目を優先した。
【デザイン】
・デザインは、自作品コンテストで重要視されていることもあるが、やはり丁寧に
仕上げることで愛着がもてるのではと考えている。数年にわたって使うなら
デザインは重要と考える。
・今回は外側は赤、パネルは黒だが、これは、サッカーJリーグコンサドーレ札幌の
チームカラーであり、応援の意味も込めてこの色使いを採用した。
【使用感】
・受信に関しては、もの凄く強力な局(1km以内の500W局など)が出るときついが、
通常使用では特に問題はない。
・変調が深いのか、交信距離20~30kmは問題なく交信できる印象。
・Esは200mWoutに比べてさらにコンディションを選ぶこととなるが、年間に10局以上
との交信は十分に可能ではないかと思われる。
・2007年6月現在で、以下の局と交信できている(感謝)。
JG8HVD,JA8ADA,JA8FXG,JA8GSW,JA8GGJ,JA8EWA(2回),JI8HEM,JA8IZC(2回),
JK8TBL,JA8ALB,JA2AEP,JJ8NNR/8,JA8CAR,JK8FGX,JE8CRA,JR1EMM,
JA1GTN,JL1HNR(重複無しで18局、重複ありで20局)
JR8DAG/菅野 正人
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