« ランド方式で作る手作りトランシーバ入門 | トップページ | 地球へ…(第23話まで) »

2007年9月17日 (月)

無線機の設計と製作入門

 無線機の設計と製作入門
(鈴木憲次著、CQ出版社、¥2,400税別)

 この本に関してはAM送受信機(第4章~第6章、p.89~156)についてのみコメントします。

 このAM送受信機(第4章~第6章、p.89~156)は元記事であるCQ誌2004年5月号~2004年10月号の「ビギナのための無線機設計・製作講座」を加筆訂正したものと言うことで、その元記事に関して管理人はJR8DAGメモ書き掲示板で以下のリンクのとおりコメントしていました。

 「当時の該当記事に関するコメント」(テキストファイル)

 う~ん、どうも怒りで沸騰していたのか、人間味にかけるコメントを発していたようです(笑)。あの当時の記事で一番ひどいと感じたのは「ビギナのための・・・・」と書いておきながら、回路や素子の選択が支離滅裂で、しかも、それを選択した理由を書いていなかったことです。

 で、本書ですが、まず「ビギナのため・・・」というのが外れ、冒頭に回路設計の参考となればよいと言う意思表明がされています。文章も加筆・訂正がなされていることもあるので、冒頭の目的を果たすことが出来る内容になっていると思います。

 ただ、以下の点には留意しておいた方が良いと思います。

・回路設計の参考にする目的で利用するならば良いと思います。
・この本と同じものを作るならばAMラジオキットとか、FCZのポケトラキットなどの製作経験がないと、製作を始める以前の部品入手から苦労するだろうと覚悟した方が良いと思います。
・その代わり実際に作り上げることが出来れば、苦労した分、回路設計の力は身に付くだろうし、本に書かれていない著者の気持ちが理解できるなど、得るものが大きいのも確かだと思います。

 JR8DAG/菅野 正人

にほんブログ村 その他趣味ブログ アマチュア無線へ
にほんブログ村

|

« ランド方式で作る手作りトランシーバ入門 | トップページ | 地球へ…(第23話まで) »

コメント

 菅野さんレスありがとうございます。

 話が本来の趣旨とは離れてしまったので、こちらに書きます。
 ご指摘の二つの例には共通点があるのではないでしょうか。それは「事実を謙虚にみれるかどうか」ということではないでしょうか。
 ハムキチガイ氏は、ヘンテナがよく飛ぶという事実を、またPSN送信機では長谷川氏はこれでもSSB波が発生したという事実をそれぞれ受け止め切れなかったのだと思います。「こんなはずはない」、「こんなやり方でSSBの調整などできない」となっていたのでしょう。
 大事なのは事実ですから、そういう事実があれば、まず初めに実験なり製作した人がやったとおりになってやってみることです。そこからすべては始まります。

 そして試行錯誤もあって良いと思います。ご指摘のFCZコイルのドライブ用もそうですし、私も試行錯誤をして回路の定数を決めるのは良くやっています。うまくいけば、後から分析をすればよいのです。

 TA7358の回路ですが、ベース接地にすれば、ノイズが少なくなるのですか。

投稿: JI3BSB 山本 節也 | 2009年2月 9日 (月) 20時15分

 JI3BSB 山本 節也 さん、こんばんは

>> 話が本来の趣旨とは離れてしまったので、こちらに書きます。

 コメント先として本記事の方がふさわしいと思いましたので変更しました。

>> ご指摘の二つの例には共通点があるのではないでしょうか。
>>それは「事実を謙虚にみれるかどうか」ということではないでしょうか。

 アイテックの千葉さんの著書にも似たような文章があったと思います。

>> ハムキチガイ氏は、ヘンテナがよく飛ぶという事実を、またPSN送信機では
>>長谷川氏はこれでもSSB波が発生したという事実をそれぞれ受け止め切れな
>>かったのだと思います。「こんなはずはない」、「こんなやり方でSSBの
>>調整などできない」となっていたのでしょう。

 ハムキチ氏は論外でしたが、PSN送信機に関しては非常に調整が難しく
SSBはと言えるのかどうか疑問が出るのは当然だったなとは思っています。
ただ、当時のJARL保証認定が通っていることは事実ですし、現在のTSS保証認定も
通るのではないでしょうか。大久保さんも言っていたと思いますが、出力30mWが
保証認定を通らせた大きなポイントだったと思います。これが10Wだったり
したら通らない可能性だってあると思います(出力を上げるなと大久保さんが
書いていたくらいですから)。

>> TA7358の回路ですが、ベース接地にすれば、ノイズが少なくなるのですか。

 TA7358Pの高周波増幅はデータシートどおりの回路を組むとベース接地になる
みたいです。
 明確に説明できないのですが、ベース接地回路は周波数特性が良いよう
です。昔のハムのトランジスタ活用にその辺がわかりやすく書いてあったような
気がするのですが、資料が手元になく確認できません。
 ノイズは、その辺の記憶とか、2SK125やU310のRF-AMPがベース接地
(ゲート接地)でローノイズのイメージがあったので書いてしまったという
ところです。
 実際のところ、ノイズ特性に関しては回路の接地方法よりも素子の
影響の方が大きいような気がします。

(皆様)
 このやりとりの元発言は以下のBBSです。
>>http://www3.ezbbs.net/04/osakajr3/
 の 976.何か作っていますか? のスレッドからつながっています。

 JR8DAG/菅野 正人

投稿: JR8DAG/M.Kanno | 2009年2月 9日 (月) 20時46分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 無線機の設計と製作入門:

« ランド方式で作る手作りトランシーバ入門 | トップページ | 地球へ…(第23話まで) »