借りぐらしのアリエッティ
借りぐらしのアリエッティ 公式サイト
昨年のパンレットを見て気になったこともあり見ました。最近のスタジオジブリ
作品は、千と千尋の神隠し、崖の上のポニョを見ていますが、それらと比べると
見て良かったなという作品に感じました。
(1)札幌シネマフロンティアの木曜日21時過ぎのレイトショーにも関わらず
100名くらいの鑑賞者がいて驚きました。
(2)本作品の印象が良かったと感じた最大のポイントは時間と場所を
限定したことにあると感じました。本作品は小人たちがどのように暮らし、
そして普通の人間に見られるとどうなるかを描いたもので、小人が
なぜ存在するのかとか、これまでどのように生き抜いてきたのかなどと
言ったことは詳細に述べられていませんし、それで良いと思いました。
(3)主人公の小人たちは、小さい故に身に付けた能力とかはなく、基本的に
普通の人間を小さくしただけというイメージでした。これは本作品の
テーマを伝えるための設定として適切であると感じました。
(4)主人公の小人の視点で描かれた場面が大半だが、普通の人間と異なった
感じで見えることが本作品のウリの1つであり、特に水を含めた液体の
描き方が良いと思いました。
(5)すべてセルで描いたように見えましたが、CGのような解像度はないものの
場面ごとにクオリティが異なることはなく、綺麗にできているなと思い
ました。
(6)アリエッティは髪を洗濯ばさみで止めた格好と髪をのばした格好で
登場しますが、管理人的には髪を伸ばした方(普段の格好)が好みでした。
(7)予告編の翔くんの「怖がらないで・・・」の声を聞いたときは、何となく
印象が良くなかったのですが、映画を見たところでは、そのような感じは
受けなかったです。
(8)仮に小人たちが長い期間を生き抜いていくことを考えた場合、作品解説で
述べられている知恵と工夫だけではかなり苦しいと感じました。最低でも
強烈なジャンプ力(できれば飛行能力)、人間や動物(外敵)から身を
隠せる能力、スプーンおばさんと同じように動物と話ができる能力くらいは
必要になると思います。仮に小人がサイズ以外は普通の人間と同じような
能力であるならば、やはり他者とコミニュケーションできる環境が必要
だろうと思います(あの状態では病気になっても医者に通えない)。ただ、
そうなると製作者側としても考えなければならない設定が膨大になり
ます。(2)で時間と場所を限定したことは、しっかりとした作品を作る上で
正しい判断であったと感じました。
(9)一方で公式サイトにある「人間と小人、どちらが滅びゆく種族なのか」と
言うのは、あまり意味がないかなと感じました。この作品で作られている
ルールに従えばにどうみても小人が不利です。なぜなら、小人たちの能力は
サイズをのぞけば普通の人間と同一で、小人が生き抜くために必要な能力を
自ら持つことができないからです。確かに、普通の人間が小人になったと
したらどうなるかという視点では面白いですが、それは普通の人間の視点で
あり、小人からの視点ではないと思います。
(10)アリエッティのような小人が身近にいたらどうするかという点では、
そっとしておくのが一番でしょうから、仮に見かけても知らないふりを
するだろうと思います。
JR8DAG/菅野 正人
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