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2011年8月25日 (木)

6m QRP DSB トランシーバー(Pocket6DSB2011)について

 ハムフェア2011自作品コンテストにて自由部門最優秀賞
なった6m QRP DSB トランシーバー(Pocket6DSB2011)について、
自作品コンテストの提出書類で書かなかったことについて述べます。

【出品の動機】
・本作品は、これまでの作品のマイナーバージョンアップであったが、
 今年出品しなければ今後大きな変革は果たせないと思ったのと、本作品が
 ハムフェア自作品コンテストでどのような判断をされるか評価を
 受けてみたかったことから出品しました。

【作品製作の動機】
・6mAM機だけではなかなか交信できないので、SSB機も持参するのだが、
 Micro6SSB2008でも大きいと思っていたので、これがPocket6AMと同じ
 大きさにできないかと考えた。
・SSB機が理想ではあったが、現在の当局の技術力ではどうやっても実現は
 無理であるので、SSB局と交信できるDSBモードを選択。

【回路設計・製作】
・回路はかなり簡略化しないと、この大きさには入らないと判断。変復調器を
 送受で共通に働かすのは当初からの予定どおりであったが、その他に受信部を
 レフレックス方式にすることを試したが、感度が悪く結局現在の回路に
 落ち着くこととなった。
・本作品の小型化を達成しているバランスドモジュレータICを送受信で
 共用する回路はキャリブレーションで販売している
 50MHzマイクロパワートランシバー(PAV-6)をはじめとして、参考と
 なる回路はあったので、それをTA7358Pで適用した。
・変復調を送受で共用する回路はダイオードDBM(またはSBM)だと簡単な上に
 送受信性能も良いのだが、代わりに局発に大きな出力が必要で回路の規模が
 大きくなることから、本作品の大きさにすることは困難であると判断した。
・送受信性能に関しては、回路的にはTaru6DSBと同じような感じなので、
 Esで交信できるレベルを確保できるだろうと判断した。
・とはいえ、平衡変復調のICを送受で共通化した影響か、受信感度は
 少し物足りなく、送信もキャリアサプレッションが今ひとつの感じに
 なってしまったのが残念であった。
Pocket6AMではイヤフォンであったが、本作品では待ち受けにも
 使うことを考えて、場所の確保に苦慮することになるが、
 スピーカを内蔵することとした。
・基板の大きさは6cm×4.5cm。多少苦しかったが、パターンを描くことは
 できた。
・後日のメンテナンスを考え、内部にアクセスできる構造を採用した。
 部品を壊して内部にアクセスできる構造にすればさらなる小型化は
 可能ではあるが、トラブルがあった時に対応ができないので、本作品では
 採用しなかった。
・送受切換はPocket6AMと同じミヤマの2回路2接点の波動スイッチを採用
 したが、オリジナルのものを使うと今ひとつ目立ちすぎて格好が良くない
 ので、プラスチックのカバーを秋月電子で売っていた波動スイッチのものと
 交換している。

【デザイン】
・SSB系の無線機は緑系で塗装しているので、本作品も外側は青緑、
 パネルは黒で塗装。

【使用感】
・Es交信は可能であったが、Micro6DSBに比べると感度が低く、送信の
 キャリアサプレッションも今ひとつな感じで、もう少し回路の検討が
 必要だと感じている。

【感想】
・本作品はPocket6AMの二番煎じ的作品と思っていたので、入賞はできても
 最優秀賞の評価はあり得ないと思ったので、正直驚きました。
・ただ、性能は今ひとつであっても、特に道外移動のお供には持って行こうと
 いう作品にはなったかなと思いますし、その点を評価していただけたのかな
 とも思っています。

(参考リンク)
ハムフェア2011自作品コンテスト入賞作品がJARL WEBで発表される: JR8DAGのメモ書きブログ

 JR8DAG/菅野 正人

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コメント

JL2UBZの糸井川です。お久しぶりです。
作品コンテストの受賞おめでとうございます。

自分もTA7358Pで送受信兼用し、小型の無線機が作れないか考えていたので参考になります。
しかし、私の場合は受信の高周波増幅もTA7358Pでやろうとして失敗してました。

写真を見ると基盤が2段構成ですね。LPFが下の段にある構図ですかね。
基盤の図面が記載されたら参考にしたいと思います。

投稿: 糸井川 卓 | 2011年9月 8日 (木) 21時58分

 JL2UBZ 糸井川さん

 コメントありがとうございます。

>>自分もTA7358Pで送受信兼用し、小型の無線機が作れないか
>>考えていたので参考になります。

 本作品まで小型化するには必要な回路でしたが、ダイオードSBMを
使ったMicro6DSB並の受信感度が得られなかったのは残念でした。

(Micro6DSB)
>> http://www6.plala.or.jp/jr8dag/micro6dsb/mi6dsb00.htm

>> しかし、私の場合は受信の高周波増幅もTA7358Pでやろうとして失敗してました。

 キャリブレーションのポケロクは受信の高周波増幅はTA7358Pで
行っていますが、受信感度は本作品より良かったと思います。ただ、
ポケロクはTA7358Pを送受別々に使っています。

>>写真を見ると基盤が2段構成ですね。LPFが下の段にある構図ですかね。

 部品が載っている基板は基板は1枚です。2段目は上の基板を取り付ける
ための生基板です。その下に、スピーカ、ジャック、マイクがあります。
LPFはアンテナ端子と送受切換スイッチの間に配置しています。
 今回のケースで基板を2段構成にしてしまうと、回路のメンテナンスが
できなくなってしまうので、採用しませんでした。

 よろしくお願いします。

 JR8DAG/菅野 正人

投稿: JR8DAG/M.Kanno | 2011年9月11日 (日) 01時09分

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