6mAMの歴史について(イベントやトランシーバー編)
これまでに、無くなったものを含めてAM関係のイベント、また
トランシーバーについて記載します。
【AM保存会】
FCZ誌110号(1984年7月)によると、1977年に、ミズホ通信の高田社長
(JA1AMH)を代表として、作られた任意活動の集まりで、事務局は最初は
FCZ研究所、その後はJA4GVH 杉ノ原さんが行っていました。活動内容に
ついては、FCZ誌で報告されており、FCZ誌110号で会員名簿が作成され、
会員数は約400名、FCZ誌112号では500名を超える会員になったとの報告が
ありました。しかし、FCZ誌の目録(101~150号)を確認すると、FCZ誌121号
(1985年7月)を最後に活動報告がされなくなってしまったようです。
FCZ誌140号(1987年2月)からの読者であった管理人には、AM保存会の
存在は知っていたものの、入会等の受付をしているのかどうか不明な状態
であり、結局AM保存会に入会することはできませんでした。
何となく自然消滅という感じになってしまったようですが、目的であった
AM波の保存に関しては一定の役割を果たしたのではないかと思って
います。
【AM一斉移動運用】
8月の第2土日(FDコンテストの1週間後)に行っていました
私が知ったのはCQ誌1986年でそのときは第4回だったようです。第7回
(1989年)にとりまとめの方が諸般の事情でパタッとやめて結果が報告され
なくなりました。その後をJF2UJG/太田さんが引き継いだのですが、
事前告知のないまま結果が報告されなかった第7回の影響が大きかったのか、
CQ誌では第9回(1991年)を最後に終了しています。その後、一斉コンテストも
行いましたが、結局定着せずに1990年代に終了しました。
【AM移動運用コンテスト】
管理人的には全く意味不明な9月第2日曜日に行ったコンテスト。1999年に
第1回を実施。移動運用に着目したことや変調レポートをコンテストナンバーに
入れる点は意欲的であったが、逆にわかりづらいルールになったことや、
コンテストの周知などがうまくいかず、2,3回程度で終了した。
【ハムフェア会場内の臨時AMロールコール】
今では当たり前に行っているらしいが、1999年のハムフェアで実施したのが最初の
はず。そのときに開催概要はこちら。このロールコールを発案した人は、その後に
行われた会場内AMRCには一切関わっていないが、それでも他の人が代わって
続けられるイベントは発案者としても冥利に尽きるし、このような他の人が引き継いで
できるイベントを考案してはどうかと思うのですが・・・・。
【トランシーバー】
RX-601を使用した局とは年に数局と交信できるのですが、管理人の開局時
(1981年)はすでにSSBトランシーバーのRXJ-610が販売されており詳細は不明です。FDAM-3、スカ6なども同様です
YAESU(現バーテックススタンダード)のFT-690mk2がオールモードといいつつ
AMが運用できなく、しばらくは、AMが出られるポータブル機がFT-690(初代)だけと
いう状況が続き、AMは大丈夫かと思う時期があったのですが、2000年にFT-817が
出て状況が一変しました。また、VX-7、VX-8はFMハンディ機にもかかわらず、
50MHz,AMを運用できる仕様にまでしていました。
これは、AMが認められたからというより、FT-690mk2時点ではコストダウンが
優先(FT-290mk2やFT-790mk2に合わせる)で6mAMを無視できるレベルだったのが、
FT-817やVX-7の時代はAMを付加することは大きなコストアップにならないので、
少しでも対象とするユーザを増やしたい(6mAMが出られるだけで購入する
管理人のような人を無視できなくなった)という意図から、出てきたものと考えます。
ですから、今後仮に新製品が出たら、いろいろな人を対象にしたいのでAM運用は
標準装備される方向になると思います(新製品が出るかどうかが問題だが)。
【キットや自作機】
FCZ研究所のポケトラは1980年代からあり、現在はキャリブレーションから
販売されています(2012年1月時点では在庫はないようだが)。キットを作る
楽しみといった点では遊べるものですが、交信という点ではなかなか大変で
ありました。
ミズホ通信のピコシリーズはSSBが主体でAMはかなり特殊です。1985年頃、
ピコ6AM(AM-6X)が数100台販売された程度と思います。1970年代には
MK-610等があるのですが、管理人は開局前で詳細は不明です。
自作機に関する記事で参考になったのはCQ誌1981年7月号のQRP特集の
記事でした。その後、単周波数とか、セパレート式のAMトランシーバーの記事は
あったのですが、周波数可変トランシーブ式のQRP AMトランシーバーについては、
見本となるような作品がないと感じ、AMRC-696を製作し、ハムフェア96自作品
コンテストに出品したら、なんと優秀賞第三席に入賞しました。実際に回路を利用して
製作された方が5名ほどいたようなので、AMトランシーバーの見本を示す役割は
果たせたのかなと思っています。
このあたり実用的な交信をすることを目的としたAMトランシーバーは
おぎくぼ村とか中野自作研究会が発表していましたが、最終的にはアイテック電子
研究所が1999年に販売したTRX-501が定番となったようです。このTRX-501は
改善した方が良いところがいくつかありますが、これまでTRX-501使用局とは
10局ほど交信しており、自作キットしては驚異的な局数だと管理人は思います。
実際に販売店の東京科学無線に話を聞いたところ販売を開始した1999年1月頃は
1台/日のペースで売れていたようです。
あとは、運用者が設計したオリジナルなトランシーバーがあります。2000年以降
は、インターネットを利用して概要紹介レベルの情報は得やすくなりました。
真空管を利用した自作機使用局と交信できることもあります。
いずれにしても、6mAMにおける自作機の運用頻度は他のモードやバンドに
比べて高く、技術的な話もできるのが6mAMの魅力の1つと思います。
JR8DAG/菅野 正人
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