ハムフェア2014自作品コンテスト入賞作品について(2014.09.04)
2014.08.23(土)に行われたハムフェア2014自作品コンテストの表彰式において実行委員長の講評を聞くことができましたので、その抜粋と作品を見た印象を記録として書きます。
まずは、自作品コンテストに入賞されたみなさん、おめでとうございます。
【記録の目的】
基本的に管理人の備忘録でありますが、これを読んでいただいた方の参考になれば幸いという気持ちもあります。
【実行委員長の講評】
この講評の内容をホームページに文章として掲載して欲しいところ
ですが、自作品コンテストを実施するJARLの体制も厳しいようです
ので、当日の講評をYoutubeにアップしました。併せて聞いていただ
けると良いかと思います。
ハムフェア2014自作品コンテスト講評(YouTube - M. Kanno チャンネル)
◎規定部門:「CW関連アイディアグッズ」
規定部門のテーマを設定した意図は述べず。応募は16点(第1次審査を通過した作品数の模様)。
○最優秀賞(総務大臣表彰)
「移動用多機能CWキーヤー」(JJ1BMB 大湖淳一さん)
悪天候でも使用できる防水防塵機構、GPSを装備して
正確な時間が表示できる、MicroSDカードによるメモリ
機能など、CW関連の様々な機能を内蔵したことを評価。
○優秀賞第1席
「モールス受信・送信練習機」(JA3GTG 中田 晄さん)
符号の繰り返し再生回数の設定ができるなど、実際の
運用を想定した上での練習機能をを装備していること、
それをコンパクトなケースにまとめて、なおかつきれいに
仕上げていた点を評価。
○優秀賞第2席
「エレキー付きCW/PHONE CQマシンPCインターフェース」(鴻巣アマチュア無線連合会代表 JA1COU村田 豊さん)
コンテストのCW部門など様々な場面で使用できる実践的な作品で、
鴻巣アマチュア無線連合会が参加するコンテストなどでの利用実績が
あることを評価。
○優秀賞第3席
「ロックインアンプで超狭帯域受信を可能にしたQ5'er PLUS」(JH2ECU沼尻英二郎さん)
計測器で使用されているロックインアンプの技術を使用して
オーディオレベルでCW受信を快適にできるようにした技術の
高さ、また、刺繍を施したスピーカーのカバーのデザインの
良さを評価。
○奨励賞
「CWをするとおもしろい!!」(JH1TKJ 中嶋彩華さん)
講評なし(管理人注:なぜ?)
【自由部門 全般】
応募は15点(第1次審査を通過した作品数の模様)。作品の種類
(トランシーバー、アンテナ等)の内訳は不明。
【自由部門】
○最優秀賞(総務大臣表彰)
「21~50MHzマグネチックループアンテナ」(JR1OAO 中島 一さん)
上部の周波数調整や下部の結合調整にモーターを使用し、手元の
コントローラーで自動調整ないし手動で微調整が可能であり、動作の
最良点を設定できること、さらに、アンテナ本体、コントローラー
ともにきれいに仕上げられていた点を評価。
○優秀賞第1席
「7MHz・CW・QRPトランシーバー」(JA8CXX 高野順一さん)
回路設計が非常にしっかりしていて性能が高かったこと、市販品の
ようにきれいに仕上がっていた前面パネルを評価。
○優秀賞第2席
「いろいろ楽しめる真空管式電信無線機」(JR0PHS 堀内 修さん)
きれいに仕上げられた木製のケース、アルミシャーシに配置された
真空管が印象的であったこと、現在では入手が難しい部品を製作した
点を評価。
○優秀賞第3席
「40m QRP AMハンディトランシーバー(Micro40AM2014)」(JR8DAG 菅野正人)
7MHz AMトランシーバーをスピーカを内蔵した上で、コンパクトな
ハンディ機サイズにまとめて、なおかつきれいに仕上げられて
いた点を評価。
○アイデア賞
「プラグイン方式で作った7MHz SSBトランシーバー」(JE1GIX 金子勝郎さん)
トランシーバーを構成している各ユニットを、電子ブロックのように
簡単に取り外しができるようにしたアイディアのすばらしさを評価。
【管理人コメント】
○全般的なこと
・講評があっさりなのは例年どおりではあったのですが、今回は
WEBでの記述が例年より多かったためか、WEBの内容をそのまま
話したような印象でした。
・本来ならば、全体的にどの点を重視して審査したと言うべきであると
思いますが、これまでの講評を聞く限り期待できないかなと思います。
・このところ、出品者がこれまで取り組んできたこだわりのような
ものを表現できている作品が入賞しているように感じていましたが、
JARLの自作品コンテストの担当者に聞いたところ、基本設計が
しっかりとして、かつ、安定して高い性能を持つ作品のポイントが
高いとの話でした。この話が正しいとするなら、ある程度しっかりと
した軸を定めて、必要な技術や考え方を構築して、それを作品で
表現できることが入賞には重要なのかなと感じました。
・入賞作品はカラス越しの展示ではなく、ここ数年と同様に棚の上に
置かれていました。
・展示用説明文は作品のデザインの良さに比べると全般的に貧弱な
ものが多かったと思います。正直なところ、余白の開けすぎと文字が
小さいのは改善して欲しいです。展示用説明文に関しては、
JH1TKJ 中嶋彩華さんが実は理にかなっていました。
・と思っていたのですが、先ほど写真を確認したら、重要と判断した
箇所の文字色を変えていたり、動機を説明しているなどで、少しは
変わってきているかなとも感じました。
・自由部門の入賞作品が最優秀賞以外は7MHzトランシーバーであった
件については、JARL自作コンテスト担当によると偶然だったらしいです。
○入賞作品について
・一番目を引いたのは、自由部門アイディア賞のJE1GIX 金子勝郎さんの
作品でした。私が審査員であれば、まず入賞作品の候補としたであろう
作品だと思います。大きさは違うけど電子ブロックのようなユニットと
いうのは、そのとおりだし、今後いろいろな発展性がありそうだとも
感じました。
・規定部門 奨励賞のJH1TKJ 中嶋彩華さんのデザインのインパクトが
すごかったです。
・規定部門 優秀賞第3席のスピーカの模様が刺繍だったのは
JARL WEBではわからず、表彰式の講評で初めてわかったという
ところです。
・自由部門の優秀賞第1席と第2席については、どういう理由で
この審査結果になったか最も気になったところでしたが、どうやら
長く使えるのはどちらかと言うことが重視されたのかなと思いま
した。
(関連記事リンク)
ハムフェア自作品コンテスト審査委員長の講評について: JR8DAGのメモ書きブログ
40m QRP AM ハンディトランシーバー(Micro40AM2014)について: JR8DAGのメモ書きブログ
ハムフェア2014自作品コンテスト入賞作品がJARL WEBで発表される: JR8DAGのメモ書きブログ
ハムフェア2014自作品コンテスト結果: JR8DAGのメモ書きブログ
40m QRP AM ハンディトランシーバー(Micro40AM2014)のページを公開(2014.07.22): JR8DAGのメモ書きブログ
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JR8DAG/菅野 正人
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