ラジオの製作65周年記念特大号
当時の人たちが懐かしむ同窓会的な雑誌
「ラジオの製作」が特別記念特大号の復刻について - 電波新聞社
20120.09.10に発売されたラジオの製作65周年記念特大号をAmazonで購入しました。
・Amazonで予約していたものが9/13(日)に届き、ざっと斜め読みをしましたが、それからは先に進まないで現在に至るという状況です。
・ざっとした印象としては、「当時の人たちが懐かしむ同窓会的な雑誌」と感じました。
・ラジオの製作が発行されれていた約50年間の中で、最も勢いがあったと出版社が判断しているらしい1970年代を中心に当時の様子を振り返る内容を中心に構成し、当時の読者にその記憶を思い起こさて雑誌を売り込むという紙面構成と感じました。
・ラジオの製作は休刊から約20年が経過し、こういった紙面にまとめる形での振り返りはしばらくありませんでしたから、積み上げてきた歴史を有効活用するという点でも、このやり方で良いと思いました。
・雑誌を見るかぎり、1970年代の勢いがあまりにもすさまじかったのか、記事の中心というか、大半がその辺りの年代に集中している感じでしたし、記事自体からも当時の勢いが伝わるのですが、実は管理人がラジオの製作を初めて購入したのは1980年からで、1970年代からの読者層にとっては実感が伴ったものかと思いますが、私にとっては実感が伴っていないので伝聞的な印象ではありました。
・ちなみに、今回のラジオの製作で電子工作が盛んになるかというとそれはどうかなというのが正直なところです。ラジオの製作が休刊になってからの約20年間の部分が雑誌では歯抜けの状態になっており、未来に向けた内容が皆無に近いように思われました。
・新しい読者層を取り込む試みと思われるアマチュア無線やフリーラーセンス関係の記事などもありましたが、基本的に紹介の範疇にとどまっているという感じでした。これは、他の雑誌はおろか、ネットに公開されている情報も少ないのですから、記事の内容に深みを与えられないのは止むを得ないことであろうと思います。
・電子工作を盛り上げる方法としては、電子工作が盛んであった(と思われる)1980年代までの製作記事を、現代版なりにアレンジして新たな記事にしてWEBなり同人誌として公開するなどの活動が思いつきますが、(同人誌にする発想が思い浮かばない主に60歳以上と思われる)当時の読者層にはあまり望めない活動方法なのかなというのも、電子工作の未来が明るくないと考える理由でもあります。
・このラジオの製作65周年記念特大号は売れ行きが良くて増刷になったようですが、初版の印刷数が少なかった可能性もあります。初版の印刷部数は、おそらく通常発行している電子工作マガジンの売り上げ部数を基準にしたものと思いますので、少なくとも電子工作マガジンはラジオの製作65周年記念特大号に比べて売り上げ部数が非常に少ないことは間違いないと考えられます。通常発行である電子工作マガジンの売り上げ部数が芳しくないのなら、電子工作が勢いを盛り返す未来は残念ながら想像できないように思われます。
・ネット上で書かれているラジオの製作65周年記念特大号関係のレビューを見ても、「懐かしい」という言葉が多く、この雑誌をもとにして未来に向けて何ができるかという考察は皆無だったように思います。このあたりを見るだけで、過去を振り返って懐かしむというところにとどまっているし、それで構わないと思っているのだろうと想像しています。
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