【問合せと回答】430MHz 2極バンドバスフィルターについて
ブログ管理人のJR8DAG/M.Kannoです。
5月12日、スペクトラムアナライザによる計測結果に掲載している430MHz 2極バンドバスフィルターに関する問い合わせに対して、JR8DAGから以下のとおり回答しましたので、お知らせします。
【問い合わせの概要】
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[投稿日時] 2023年05月12日 20時32分30秒
[要約]
「433MHz2極バンドパスフィルタ」の同調周波数を466MHz帯にしたいと考えているが、コンデンサやトリマの値を変更する必要があるのかどうかを知りたい。また、このバンドパスフィルタの中心周波数の計算方法について知りたい。
【回答の概要】
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430MHz 2極バンドバスフィルターについて、430MHzと466MHzでは定数を変える必要は無いかと思っていましたが、430MHz QRP FMトランシーバー(JR8DAG-70FM2018)で採用している2極BPFの同調回路に合わせて3pFを2pFに変更した方が良いかなと思います(下の回路図)。
430MHz2極バンドパスフィルターの回路
バンドパスフィルタの中心周波数の計算については、厳密に正しいかどうかは分かりませんが、LC同調回路の計算式があてはまるのではと考えています。
(参考リンク)
・同調回路の共振周波数:f = 1/(2π√(LC))
・リード線のインダクタンス
使用しているリード線、直径0.8mm、長さ50mmでインダクタンスを計算すると約0.04μHとなり、共振周波数は3pFで460MHz、4pFで398MHzあたりになります。高周波回路はさまざまな要因で計算式どおりに行かないことが多いですが、実際にこの回路で同調が取れているので大きくは違っていないものと思います。
なお、同調回路に5pFを直付けした回路だと、同調が取ることが困難でした。5pFのトリマの可変範囲は0.5~5pFないし1~5pFといったところで、インダクタンスを0.04μHとすると、0.5~5pFだと同調周波数は355~1125MHz、1~5pFだと355~800MHzとなってしまい、同調を取ることが困難になると考えられました(下の同調回路の中心周波数計算結果より)。
上記の回路のようにトリマにコンデンサを接続すると、コンデンサの可変範囲が2.5~4.5pF程度に制限され、インダクタンスを0.04μHとすると、共振周波数は375~500MHzとなり、これなら同調は取れると考えられますし、実際に同調も取れました。こういったいきさつを経て、あの回路に至ったというところです。
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(回答終了)
JR8DAG/菅野 正人
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